テキストサイズ

Pour mon cher -涙の先に-

第16章 聞かざる?見ざる?言わざる???

「愛?大丈夫??」


私の顔を覗き込み心配そうな、ちょっと困ったような顔の先輩が何だか可愛くて思わず


「プッ!」


と笑ってしまった。


すると先輩も少しホッとしたような表情を浮かべて


「今泣いた烏が何とかってこの事だな」


そう言って軽く私の頭をポンポンとして笑った。



私も泣いてグシャグシャな顔を上げてニコッと笑う。



「取り敢えずココもあれだし。移動しよ?」


って親指でクイッとファミレスの窓際を差して苦笑する先輩が可笑しくて笑いながらコクンと頷き先輩の横に並んで歩いた。


すると、先輩がいつものように

「ん?」

と手を差し出してくれて。


ちょっとハニカミながらそっと指と指を絡ませながら手を繋ぐ。



歩く間、何も喋らない先輩と私。


でも繋いでる手はとても温かくて幸せで。



今日は何だか…凄く先輩が優しい…


というか


凄く凄く甘い。









ストーリーメニュー

TOPTOPへ