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Pour mon cher -涙の先に-

第21章 優しさに触れる

こんなノリから始まり、終わりもこんなノリで。


ストーカー扱いされた先輩が両手で顔を覆って泣き真似してるのを、今度は私は精一杯背伸びして東先輩の頭をポンポンとして


「泣かない。泣かない。」


と慰めてあげると、ニカッと笑う。


意外とこの時間。

嫌いじゃない・・・かな?

なんて。


「じゃぁ、わざわざ送って貰ってありがとうございました。」


先輩に向かってペコッと頭を下げる。


先輩は笑って私の髪をワシャワシャッとして



「また一緒に帰ろうね♪」


「先輩も気をつけて帰ってくださいね?」


「襲われそうになったらすぐ愛ちゃんに電話する~♪」


「…頼むから警察に電話してください。」


「はぁ~い‥・チェッ」


小さくしょげて返事する先輩を見て思わず「子供かっ!」とツッコミたくなる。

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