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Pour mon cher -涙の先に-

第45章 別離のワケ

薄い紫の純和風的な浴衣を着て

アップした髪型の彼女は当然だけどいつもとは雰囲気が違ってて。



凄く可愛くてちょっぴり大人っぽい彼女になってたっけ。



1人で居るのを偶然見つけた俺は平林達と少しだけ離れて彼女に駆け寄ったんだ。



祭りだし、変なバカ共もうじゃうじゃいる中1人にしてたら危ないと思って。



そんな彼女から香る匂いは変わらずで、何だか胸の奥が温かい気持ちになった。




何度も何度も一緒にいる時間、彼女に言おうとしたんだ



「浴衣、似合ってるね」


って。



でも、ヘタレな俺は結局言えずにその場を離れた。





だから・・今、言わせて?






「すっげー似合ってたよ、浴衣」






下でケラケラ笑ってる彼女を微笑ましく見つめながらボソッと呟いた。




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