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Pour mon cher -涙の先に-

第48章 動揺と心と秋空と

猛司はベンチから立ち上がると私の傍まで来て


ふわりと微笑んで私の頭をそっと撫でると




「驚かせてごめんね?」




とだけ言って屋上から去って行った。





猛司が出て行ったドアを見つめながら、そっと彼が掴んだ腕の部分を触る。



掴まれた時はビックリしてて気付かなかったけど、結構な力で掴まれたのか

ジンジンとして少しだけ赤くなってて。




それだけ必死で“間違えた”相手を離したくなかったんだなって事が分かる。





“間違えた”相手





猛司がそんなに必死になれる相手





そんな人は‥1人しかいない。




私じゃない“愛”




猛司が必死になる人なんて彼女しかいない。






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