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Pour mon cher -涙の先に-

第54章 打ち明けられる想い

ファミレスを出て愛ちゃんと2人で歩く帰り道。


「愛ちゃん。手」


手を差し出すと少し照れ臭そうに俺の手を握る愛ちゃん。


でもね?


その繋ぎ方はダメ。


いわゆる“恋人繋ぎ”ってやつ?


これじゃなきゃ、俺は物足りない。


これじゃなきゃ愛ちゃんを沢山充電出来ないんだ。



ごめんね?我儘で。



俺は何も言わず彼女の小さくて細い指と指の間に自分の指を滑らせギュッと握る。



左手から愛ちゃんの温もりが伝わって来て、心の中も一気に温かくなる。



もう、幾度となく手を繋いでるけどこの瞬間だけはこの先何度繋ごうとも慣れないだろうな。



なんて思うくらい凄く幸せな瞬間。



だからこそ、慣れたくない。


1つ1つの瞬間を“特別”に感じながら愛ちゃんと時間を刻んで行きたい。



そう思う。




そう思える相手だからこそ‥




今、君に聞きたい。








「猛司と何か話した?」









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