夏の秘密
第39章 風太の場合
風太「家を出てから会うの二回目なんだ
あの時は普通に話せたから強くなったと
思ったけど…」
夏「風太?」
風太「…やっぱり…やっぱりダメだった
ダメだったよ…」
夏「…風太」
風太「…」
今にも泣きそうな風太
いつも強くかっこいい風太が泣きそうで
その姿が意外で
意外過ぎて
見ていられなくて
夏は風太を抱きしめていた
夏「私がいる、側にいるから…」
風太「夏…」
夏「風太を一人にしないから」
風太「…うんっ」
夏「…」
風太を一人にしない
側にいる
その言葉
その想いに嘘偽りはない
本当にそう思い、そう感じていた夏
勇助や総一郎の事を忘れ
風太の為に…