夏の秘密
第40章 総一郎の場合
夏「…」
デートから三日後
夏は総一郎の家を訪ねる事にした
もしかしたら
もう引っ越した後かもしれなかったが
表札はまだ残されていて
安心する事が出来た
ピンポ~ン(インターホンの音)
総一郎「はい、どちら様…」
夏「…」
総一郎「夏…」
夏「この前はごめんなさい…私…」
総一郎「上がって」
夏「…うんっ」
部屋に入ると
荷物は運び込まれた後のようで
必要最低限の物だけしか残されていなか
った
夏「本当に行っちゃうんだね…」
総一郎「…あぁ」
夏「…」
総一郎「寂しい?俺がいなくなるの」
夏「当たり前でしょう」
総一郎「…」
夏の返事に
嬉しそうに笑顔になる総一郎
でもこれは決してお世辞などではなく
夏の本心
本当の想いだった
総一郎「…じゃあさ」
夏「何…」
総一郎「夏も行く?俺と一緒に」
夏「先生…」