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短編集・続

第1章 「すぺーすこんぱ」

あっ!
落とし物!
前を歩くサラリーマン風の男が何か落として行った。
すぐに拾って、声をかけようとしたが、男は横断歩道を駆け足で走っていく。
点滅信号が赤に変わる。
男は人混みに紛れてしまった。

どうしようかな、これ。
拾ったものを見る。
…チケット?

「すぺーすこんぱ」

なんだ、これ?
あんまし、頭良さそうじゃないな。

たいして価値のあるものじゃなさそうだし、暇なときに交番に持っていくか。

そう考えて
俺はズボンのポケットに、チケットをねじこんだ。

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