
乾いた空
第3章 三章
会社も家も人手に渡った。
僕にとってはどうでも良かったと言うよりも、ましてやスッキリとした。
早く全てを忘れたかった。
家を引き払う時に処分屋を呼んでは家の物を全て引き取ってもらった。
10tトラック30台分はあった。
何も無くなった大きな家には、まだ切れていない電話一台だけが取り残されていた。
電話会社に解約しなくてはと思っていた瞬間ベルが鳴った。
画面を見たら表示されていないので、出ないで家を後にしようとしたが、なかなか切れないので何故か気になり、受話器を取った。
