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乾いた空

第4章 四章




彼は多分車から持ってきた大量のレモンでホットレモンを作ってくれた。

一瞬私は戸惑った。


ホットレモン……

ある日
祖母は温かいホットレモンを入れてくれた。

私は何故、いつもこんなに気持ち悪くなるほど薬を飲まなくてはいけないのかと聞いた。

そして優しくけど、寂しげな瞳でこう言った。


「貴女のママはね、どうしても治らない病気で亡くなったのよ。
貴女が飲んでいる薬はね、ママのようにそうならない為に飲んでいるのよ。」


涙声を我慢するように震えていた。
そんな祖母が可哀想に見えてならなかった。

無理に入れたホットレモンは何故だか私の中で"悲しみの飲み物になっていた。



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