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官能的大恋愛

第15章 結婚という二文字

あだだだぁ……。

調子悪りぃ……。

ナガタッチの風邪、完全にうつされてるし。

初めてエッチしたあの夜は、そらぁもう身体の節々がきしむくらいエッチしまくって、年甲斐もなく朝帰りしてしまった。

……やっぱり、激しかった。

「ずっと…抱きたくて…溜まってた」

とか言ってたけど。

あんた、撮影現場で何回も抜き差ししとんだろがぁ!!

溜まる訳ないっての。

全くうまい事を言って、すぐ私を気分良さげにすんだからぁ、もぉ!

仕事は休めないから、とりあえずはきちんと出勤してるんだけど…。

本当は今日の仕事、休みたいくらい調子が悪いんだよね。

鼻水出るわ~。

ズルズルすすっていると、

「風邪?」

「……?」

スーツを着た、茶髪の今時ロン毛のお兄様?

「は、はい」

タイプではないので、露骨に愛想笑いをしてしまう私がいた。

お客様だっつーのに。

「ボールペンってもう、あそこに並んでるだけだよね?」

「はい、申し訳ございません…」

店のどこかに隠してるとでも、言いたいんかい。

「ありがとう」

そして去り際に…えっ?…ポケットティッシュ?

「あげる」

「あ…えっ?…あの…」

無理矢理渡されたポケットティッシュ。

タラリと鼻水が出てきて、慌ててすする。

その場から、さっと立ち去った。

……変わった男だ。

こういう事、見ず知らずの女に平気で簡単にやれてしまう男も実際に居るとはな。

親切心だと、素直に受け止められないのが、私の性分だから…ちょっとだけ不信感。

好きな人に同じ事をされたら、間違いなくドキドキするのに。

やっぱり恋の魔法にかかると、とんでもなく堕ちやすいのだな。



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