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官能的大恋愛

第3章 リアルな感覚を求めて

「爪が長いとさ…指を入れた時に、女の子の柔らかい膣の中を傷付けちゃうから、結構コマメに切ってるんだけど…」

Nagは、自分の爪を見ながら突如とんでもない話をしてきた。

「コマメに切り過ぎて、爪切り壊れちゃって。だから100円ショップに買いに行ったんだけど…。こんな話とかが聞きたいのかな、君は?」

「はい…」

思いやりというのか、労りというのか。

クゥーッ!!優しい!!

「でも、この世界ではこんな事は常識なんだよね。俺が撮影に入る前に台本を見ながら、心掛けている事はねぇ、和えて女の子と親しく話さないで、少しだけ距離を置いて、女の子が何を求めて俺に抱かれたいのかって悩殺するんだよ。そして本番で、探りながら知りながら女の子の心を開放して、気持ちをラクにさせてあげるんだぁ…」

なるほど、やりたいだけじゃない所が、またまた紳士的で素敵だ。

「女の子は弱い生き物だからねぇ、いつでも優しく柔らかく、包んで守ってあげなくちゃ。ましてや好きな女の子だったら、尚更その優しさは倍かなぁ…なんてねぇ」

「それがNagさんの、女の子を接待する時の極意ですか?」

「そうだよ、相手が幸せだなぁって喜んでもらえたら、男は一番自分に自信が付くからねぇ…」

なるほど、なるほどーっ!!

「とても参考になります」

「きっとそんなの、君の彼氏たちだって常々思っていた事だと思うけどなぁ…」

そうなのか?…

今までの彼氏はみんな、私がこんな性格だから、適当とか面倒臭いと私が吐き捨てて、きちんとした話の時は向き合わないようにしていたぶん、彼氏たちも私に対しては同じで、何となく今だけの恋人同士だと思っていると思っていた。

「そういう愛情を、感じた事はなかったの?」

「はい…微塵も」

と、答えたらNagはあからさまに呆れた笑い方をした。

「はっ…、そんなのでよく官能小説を書いてるよねぇ」

「その頃は、まだ目覚めてなくて。そういう感覚に…」

私はNagの表情を気にしちゃって、アタフタして急に不安になってしまった。

やだな…、それ以上は呆れないでよぉ~!


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