迷路…俺の場合 (Ver.N)BL表現有
第8章 鎧
「あぁ・・・
俺は、軽くなる」
なんの
音もしない
なんの
音もしないから
冷蔵庫の
モーター音だけが
やけにうるさく
感じた
真っ暗で
でも
マシロの姿かたちは
暗闇に
慣れてきた目で
しっかり
見ることができる
そんな
部屋で
マシロは
俺に
背中を向けて
座りなおし
ゆっくりと
Tシャツを
脱ぎ棄てた
「マシロ・・・」
それ以上は
何も言えなかった
マシロの
重い鎧は
服を脱いだだけじゃ
ゼロには
ならないと思う
でも
わずかでもいい
軽くなるのなら・・