テキストサイズ

切ない関係

第14章 癒しの恋人。

「もしかしてバレてた?」

「当たり前だよ!」

食い気味に言われた・・・・・

「そっか・・・・・変な気使わせちゃってごめんね?」

雅紀のことだから、俺が寝れるように自分も眠いフリして一緒寝ようって気遣って誘ってくれたんだね。

「気なんか使ってないよ?俺だってホントに眠くて・・・・・っ」

言い終わる前にギュッと抱きしめる。

「ありがと、すごい嬉しい」

優しくて、気遣い屋さんで可愛くて。

そんな一面を見る度、離せなくなっていく。

「嘘じゃないのに・・・・・」

「はいはい」

ふとカーテンの隙間から外を見れば、もうすぐ日が暮れそうで、校門から生徒が帰って行くのが見える。

「そろそろ帰ろうか?」

「うん・・・・・」

「そんな寂しそうな顔しないで」

「うん・・・・・」

明日も会えるのに少しでも離れたくないなんて、周りが聞いたら呆れるだろうなぁ。

カバンを持たせてドアまで行くと、

「また明日」

そっと頬にキスするとみるみる顔が赤くなって

「くふふ。おーちゃん先生ばいばい!」

さっきの落ち込みようが嘘みたいに元気に帰っていった。

窓の側に行き、目をやると雅紀がこっちに向かって手を振っていて本当にバカップルみたいなのが可笑しくて俺も笑いながら手を振り返した。

END

ストーリーメニュー

TOPTOPへ