切ない関係
第9章 言わなくても。
ある日の休日、俺とまーくんは仕事の雑誌で一緒になった。
楽屋でたわいもない話で盛り上がってると、ノック音が響いた。
コンコン
「はいっ」
『失礼します』
二人でドアの方に視線を向けると、一人は知ってる顔で、もう一人は初めて見る顔があった。
『少しお時間いいですか?』
「あ、はい。大丈夫ですよ」
返事をすると、後ろにいた新人ADが前に出てきて、挨拶を始めた。
『初めまして。新人ADの新山(にいやま)と言います。これから主に、嵐さんの番組や雑誌などを担当させていただきます!よろしくお願いします。』
「あっ、嵐の相葉雅紀です。よろしくお願いします」
「二宮和也です。よろしくお願いします。」
まーくんが満面の笑みで返すと、新人ADの顔が赤くなった。
『じゃあ、今日は挨拶だけなので失礼します。』
「はーい。」
出て行く間際に、まーくんをチラッと見たのを俺は見逃さなかった。
イライラする感情を抑え、雑誌の撮影に臨んだ。