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理想と偽装の向こう側

第10章 信頼と疑惑

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「私だけど…。」



インターフォンに向かい、そう告げると、オートロックは解除された。



一応、少し買って来たが、正直疲れていて、食欲もない。



食べた方がいいんだろうけど、一日中、元木さんの話が頭の中でリピートして、気分が悪くなっていた。



嘉之の部屋に着き、中に入れてもらう。



「遅くなったけど…何か作る?簡単なものだけど…。」



「何でもいい…。」



「うん…ちょっと待っててね。」



手を洗って支度する…ヤバいかなり、しんどい…。



本当に簡単に、野菜炒めと春雨スープにした。



「足りそうかな?」
「大丈夫…。」



まだ、テンションが低い気がする。



「はい、チューハイ…私は、いいや…。」
「サンキュー。」



空気が重い…。



何か胃が、チクチクするな…。



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