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理想と偽装の向こう側

第10章 信頼と疑惑

「ドスンッ!ガッ!」



床に身体と頭が叩き付けられる音が響き、散らばった飴が更に散乱した。 



「痛い!いきなり何っ!」



痛みを堪えてる内に、嘉之の両腕で覆われる。



「俺だけ見てるんじゃなかったのかよ!」



「はっ?それとこれとは、関係ないじゃん!いつだって、嘉之しか見てないよ!だから、梶さんだって…」



「聞きたくねぇ!」
「何で…しっ!」



強引に唇を塞がれる。



痛みも合わさって息苦しいし、胸が痛い…。



何で…信じてくれないの…。
どうしたら信じてくれるの…。



少し開く隙間から、何とか訴えた。



「仕事…だ…よ…。嘉…之のため…だよ…。」



やはり聞く耳なんて持たず、嘉之は舌を絡めて話せなくする。 



「ふぅ…んっんっ…。」



あ…ヤバい…耳鳴りがする…。



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