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理想と偽装の向こう側

第4章 同棲スタート

「そこに、傷の舐め合いなんて感傷的なシチュエーションが加わったら、絶対のその気になるわよ。それだって、つり橋現象みたいなもんだからね!」



「わぁ~~~!!それは分かります!黎子様の講義よく分かりました。」



「あら…まだ言いたりないのに…。」



そうだろう…黎子の瞳はキラキラ輝いていた。
本当にこうゆう話が大好きだよね。



「これ以上は、今日はいたたまれないから、ご勘弁で~。」



と、テーブルに両手を着いて本気で頭下げた。



「…流されてもいいんじゃない。」



頭上から、ポツリと言葉が落ちてきた。



「え?」



「流されもいいんじゃないの。まだ、どんな人か分からないけど、嘉之の事で泣き腫らしてるよかいいわ。」



「あっ…。ごめん…ありがとう…」



「ちゃんと自分でケツ拭きなさいよ。」



「は、はいっ!気を付けます!」



思わず背筋を伸ばした私に、ふふふっと、肘を着いて長い指を顔に当てて黎子は、妖艶に微笑んだ。


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