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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

言い知れぬ不安感が一気に襲う。



「ふぅ…くっ…。」



折れたくないよ。



壊れたくない…でも、このままだとおかしくなりそう。



私が、折れたら嘉之にとって必要価値なんて、きっとなくなる…。



だって『自分のことを好きな人』さえ、側に居ればいいんだから。



もっと、温かく包んでくれる人を見つければいいだけのこと…。



私じゃなくてもいいんだ!
私じゃなくてもいいんじゃない!
私じゃないんだ!



でも、その現実が辛すぎる…。



涙は止めどなく溢れて…抑えることも出来ずに、ひたすら泣き続けた…。



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