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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

結局、元木さんはお兄さんとお友達から付き合ってみることにしたそうだ。



私は、確実に連続コンボで攻められ、最後に回し蹴りを食らった気がした…。



はぁ…泊まりどころか、夜家に行きたくないよ…。



仕事が終わり、いったん家で着替えて荷物を作り、嘉之のところへ向かうが足が重い。



今日の元木さんの話が、頭の中でヘビーローテーションで駆け巡っていた。 



元木さんのターゲットが、嘉之からお兄さんに移ったけど、これって逆に言えば、もし元木さんとお兄さんが結婚したら…嘉之とずっと身内なんだよね…。



私…嘉之のお兄さんにも、御両親にも合わせてもらったことがない…どうして、元木さんはすんなり会わせたんだろう…。



どうして、私は会わせてもらえないんだろう…。



あぁ…『どうして』ばっかで、嘉之の思うことも、先行きも見えなさすぎる。



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