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理想と偽装の向こう側

第13章 対決

届け先は、高級ホテルの高層階だった。



リッチなお客様なのかな?
フロントに聞くと、電話で確認してくれ、



「3015室になります。」
と案内してくれた。



エレベーターからの景色は絶景で思わず感嘆する。



「凄い…。」



エレベーターは、30階に到着し、15号室を探す。
結構、奥だな…広くて迷子になりそうだよ。



案内図を確認しながら、目的の部屋にたどり着いた。



『3015』



ここだ、何だか緊張してきたな…。



私はドアをノックした。



「コンコンッ。」


………。



聞こえてないかな?



「コンコン…。」



「あの~カッティングエッジカーサの者ですが…。」



あっ!微かに足音が聞こえる。



「ガチャリ…」



ドアが開く。



「お待たせしました。私、渡辺と申します。」



一礼をし、相手の顔を見ようと顔を上げた瞬間…



「クスッ…。」
「キャッ!!」



笑い声と共に、部屋の中に引っ張り込まれた…。



「香織…待ってたよ。」



ニヤリと不敵に笑う人物…。



「嘉之っ!」



そして…この日から更に、底のない沼に嵌められていった…。


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