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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

「ヒナ?光花で、そう読むの?」



いきなり変な質問を投げ掛けてしまったが、彼女は特に気にもしてないようで



「はい!ミズコシヒナと、言います!分かりにくいですよね。小田切さん?でしたよね。滝島さんと行かれますか。」



「はい…有難う。」



「こちらこそ!ボールありがとうございました!」



ニッコリと、花が満開になったような笑顔で彼女は、そう言って子供たちの元に戻っていく。



思わず、その華奢な背中をを見送ってしまう。



「可愛いだろ~ヒナちゃん!みんなのアイドルだから、ライバル多いよ~!」



耳元で滝島が、変な声でそんなことを言った。



「…ライバル…?んぁ!どうゆう意味だよ!」



「えっ!惚れたんじゃないの!?ヒナちゃんを見詰める瞳が、いつもの小田切と違ったぞ!」



「そう簡単には、惚れねぇよ!」


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