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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

「小田切さん…。」



妄想に耽っていた俺を水越さんの声が、現実に引き戻す。



「あっ!うん、お帰り!どうだった?」



彼女は俺に近付きながら、



「凄い気持ち良かったです!身体に羽が生えたみたいに、軽くなりました!」



感激いっぱいにそう言うと、ピョンっと飛び上がる。



頭がクラクラしそうだった。



そりゃない…可愛い過ぎるってば。



恋は盲目を体感するよ。



理性を呼び戻しながら



「…少しは、疲れ取れたかな?」



「はい!マッサージ中気持ちよくて、寝ちゃいました。」



相当、気持ち良かったんだな…言い回しが、ちょっとドキドキするけど。



「良かった…。」



そう思いながら、ついつい俺は、彼女の頭をポンポンと撫でながら



「小田切さん…?」



「ちょうどお腹、空かない?次は、ランチにしようか!」 



「えっ!あっ!はい!空きました!」



赤くなり、ピシッと気お付けの姿勢で勢い良く答えた水越さんに和みながら、次の予定に運んでいった。



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