テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

「じゃあ…気になるなら、またデートして!」



「ひゃっ!へっ!はい!」



よっしゃ!
どさくさ紛れに次を取り次いだぜぃ!



心の中でガッツポーズをする横で



「へへ…。」



水越さんが、照れ臭く笑っていた。



「どうしたの?」



「次があると思うと…嬉しくなりますね。」



グラリ…。
どうゆう意味だろうか?



単純に楽しいのか…それとも少しは自惚れていいのか…まぁ、どちらにしても悪くはないか…。



はぁ~落ち着けよ、俺。



そう言い聞かせた矢先に、



「そうだね!じゃあ、次はカップルコースで、あの店行こうか?」



しまった…セクラハラみたいだな…。



案の定、水越さんはゆでダコみたいに真っ赤になった。



「えっと!それはっ!その…。」



余りの慌てぶりに思わず、笑いが止まらなくなった。



「はははっ!冗談だよ!」
「え…えぇっ!」



些細な一つ一つに反応する…彼女が可愛いくって、面白くて、ついつい意地悪したくなる…。







今日という日。
そんな君の姿を…俺は決して忘れない…。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ