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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

今度は、俺の声に光花が驚く



「きゃっ!」



「あっ…ごめん!考え事してたんだ。」 



「私も…いきなり声かけちゃったから、驚いたよね。」



光花は、パジャマ姿で温まってほんのり桜いろに上気した顔で、ちょこんと立っていた。



キュン…。



もう、それだけで可愛くて抱き締めたくなる。



ヤバいな…我慢しようと思うと、余計欲望が反動で揺さぶってくる。



「疲れ…取れた?」



「うん!」



「そっか…良かった。俺も入ってくるね。ドライヤーそこにあるから使って。布団敷いといたから、先に寝ててもいいからね。」



光花が少し驚きながら



「えっ…でも…。」



でも…何っ!?



光花は上目遣いで、俺を見る。



「志信さん…。」



「どうしたの…?」



潤む瞳でジッと見詰められる…。
妙な間に、心拍数が上がるのが分かる。

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