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理想と偽装の向こう側

第18章 永久と再会

マンションに着いたら早速、光花から教わったレシピ通りに作り始める。



「手際、良かったよな~。」



あんなポヤ~ンとしてても、やるべき事は早かった。



カレーが出来上がり、リビングのテーブルに運んで、ワイングラスを2つ並べる。



お酒が弱い君でも、一緒に引っ越してきてたら、この日だけは、きっと乾杯してただろう。



端からみたら、未練がまし光景かもしれない。



けど、君がしたかった事、君としたかった事をこれから少しずつ叶えていく。



グラスにワインを注ぎ、片方のグラスを手に持って



「乾杯…。」



チンッ!
と小さく高い音が鳴る。



カレーを一口食べてみると



「あっ…案外上手く出来た!」



正直、光花みたいに美味しく作れるか自信なかったが、教わった通りに作ったら同じ味はしたけど…どこか味気ない。



足りないもの…。


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