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理想と偽装の向こう側

第18章 永久と再会

滝島はため息を吐いて



「それとも、態となのか?」



「態とって?」



「自分にどれだけの好意が向けられてるか…敢えて無視なの?」



「好意…?俺にぃ~!」



こんな無機質な人間を誰が、好意を寄せるんだ?



「…じゃあ、知ろうとしないんだな?」



「滝島…?」



缶コーヒーをテーブルに置いて腕を組ながら話は続く。



「ヒナちゃんを忘れろとは言わないが、おまえは少なからず後十数年は生きていくんだよ。少しは周りも見ていけよ。」



「周り…。周り見て、どうしろってんだよ。」



滝島は、肩を竦めた。



「ナーバスプリンスね~!」



「滝島…全部解ってない訳じゃないよ…。みんなが心配してくれてるのだって痛い程解るよ…。ただ、直ぐに前に進む気力は、まだない…。」



「ヒナちゃんは、そんなお前も解ってたから、手紙を残したんじゃないのか。なら、叶えてやれよ…ヒナちゃんの願いを…。」



光花の『最後の願い』…。



俺が幸せになる事…。

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