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理想と偽装の向こう側

第18章 永久と再会

いきなり不審者だよな…そう思いながらも笑いかけながら



「死にたいって顔してるね。」



話を続けた。



唖然とした顔になったが、無視して俺の横を通り抜けた。



イカセナイ…。



条件反射的に俺は、動いた。



「舐め合わない?」



咄嗟とはいえ、とんでもないセリフだな。



「はい?」



いかにも怪しいと言わんばかりの顔をして、彼女は振り返る。



「舐め合おうよ。」



今度は、眼を見開いて固まった彼女に近づいて、眼が合う位置まで頭を傾け、言葉を繋ぐ。



「傷…。」



「えっ?」



「お互いの傷、ひたすら舐め合おう。」



彼女は明らかに、傷を負っている。



足元を見た、卑怯な提案だ。


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