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理想と偽装の向こう側

第19章 罪悪感?

「ガッチャン!」



バスのドアが開く。



「あ~さっぱりしたぁ~。」



小田切さんが髪を拭きながら、寝巻きの浴衣に着替えて出てきた。



私は、一つだけあった椅子に膝を抱えて座ってテレビを見ていると



「香織ん、そんな所に納まってキツくないの~?」



屈託なく笑う笑顔に、胸がキュン!となるよ…。



「小田切さん…朝起きて、浴衣開けてたらごめんね…。」



半分本気…残り半分は…。



「えっ…じゃあ、また開けない様にしようか?」



「うん…出来たらお願いします!」



ピョンと椅子から降りて、小田切さんの前に立つ。



計算ぽかったよね…でも、その先の進展はきっと無いしな…。



浴衣を直してくれてる、小田切さんを見詰めながら、希望と諦めが交錯してしまう。



「はい…出来たよ。これで朝まで大丈夫!」



ニッコリ笑いかけてくれるけど、その言葉で十分諦めモードだった。

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