テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第20章 さよなら

そんな私たちの様子に



「やり直し?俺には強姦にしか見えないよ。」



「あ~?俺たちが、どうしようと勝手だろ!」



「勝手じゃない!少なからず、渡辺さんはボロボロだろ!こんな関係なら、解放してあげろよ!」



「煩い!安岡だって見て来たなら、分かるだろ!」



「え…。」



何を?
何が分かるの!



「あぁ…分かるさ。おまえが頑張って来たのも…渡辺さんが頑張ってたのも知ってる。」



「それが、数ヶ月会ってない間に6年間を全部壊されるんだぞ!やっと、環境を整えてこれからって時に!」



感情的に吐き捨てる様に話す嘉之に安岡さんは、淡々と答えた。



「環境じゃなかったんだよ…変わらなきゃいけなかったのは、嘉之…おまえ自身だよ。」



「はっ、俺が!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ