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本気の告白を君へ~出逢えた奇跡~

第7章 告白


「え……」

「………本当は…ずっと
一緒にいたかった…」

そう言って…

輝は語りだした

「俺さ…親父がいないんだ…。
親父は俺が産まれてからすぐに
病気で亡くなった…。
癌だったんだって…
1年も生きられないだろうって
言われてたらしいんだけど…
親父、1年6ヶ月…生きてたんだ…。
それには医者もびっくりした
みたいで…何でこんな生きて
られるのか不思議だって……。
けど俺、思ったんだ…。
親父は俺が産まれてすぐに死んだ…

もしかしたら…俺が産まれるのを
待っててくれたんじゃないかって…。
辛いの我慢して…待ってて
くれたんじゃないかって…。
最初は親父がいないなんて
思わなかった。
俺がお父さんはお父さんはって
聞くたびに…母さんは泣いてた…。
俺は何回も母さんから、お父さんは
もういないんだよって言われてた。
でも、俺はまだ小さくて
わからなかった。

そして………

俺は1人の女の子が大好きだった。
それが雪乃だ…。
ふわふわしてて…可愛くて…
ほっとくと危なっかしそうで…
人見知りで他の子と話せないの
ずっと見てた…。
俺も最初は迷ったけど…
でも、一緒に遊んでみたかった。
多分雪乃が幼稚園に入ってきた時から
ずっと気になってたんだと思う…
だから思い切って話し掛けた。
話してみると案外あっさり
なれて、雪乃の遊ぶのが
楽しかった…。
優しくて…可愛くて…いつも笑顔で…
そんな雪乃が大好きだった。

けど俺は…ちょっと前から引っ越しが
決まっていた…。
遠いとこに行くんだよって…。

それを知った俺は…
部屋で1人で泣いていた。
やだって…行きたくないって…。
雪ちゃんと遊ぶんだって。
でも結局無理で…引っ越さなきゃ
ならなくなった…。

雪ちゃん、俺が言った言葉
覚えてる……?」

輝があたしに問い掛けた…

「え……言葉…?」

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