はぴねすっ!!!?
第23章 優しいがゆえに
医者になりたい。
そう。
修兄さんは静兄さんのために医者になりたがっていた。
もちろん俺しか知らない。
ちょうど跡継ぎの変更の話が終わったあと自分の部屋に戻る前に声をかけた。
「修兄さん......」
「おお。俺、跡継ぎだってさ。静兄さん、辛かったんだな。
ま、頑張るしかないよな!」
「でも、」
「優。
俺の夢、覚えてるか?
あの事は、忘れろ。
まぁ、どーせ俺の頭じゃ医者なんて無理だよ。ははっ。跡を継ぐことだって立派な静兄さんを助けることになるんだからな。
誰にも言うなよ?二人だけの秘密だ。」
「.....」
嘘だ。高校だってコネなんか使わず必死で高いところ入って、遅くまで勉強して、部屋にだって医学部の大学入試対策の本いっぱい買って、
どーせ無理なんて思ってないくせに。