はぴねすっ!!!?
第34章 素直になれない
「そーだなー。
じゃさ、椿ちゃんは直が必死になってやってるところ、見たことある?」
必死って......
そういえば、あまりないかもしれない。
「ないだろ?実はさー。俺と直って幼なじみなんだよねぇ。」
はあ?
「は、初耳なんですけど?!!」
「ん?そりゃ、いってないからねぇ。
でも、俺はね。あいつのピアノの練習してるとこ、見たことないんだよ。てか、見せてくれない。そのくせコンクールは優勝して帰ってくる。コンクールも呼ばねぇんだぞ?仲良しのこの薫兄ちゃんをよぉ。」
そういう薫の目は少し寂しそうだった。
「でも、あいつは天才じゃないのよ。わかる?
人に見せないところで死ぬほど努力してんだよ。
ただ、頭は昔からよかったな。かなり。」
「......え?!!頭がいい?!あの猿の?!」
赤点スレスレ系の彼が?!
「猿だって頭のいい猿もいるのよーん。」
の、乗ってくるとは!なかなかやるな?薫氏。