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パパとママのタカラモノ。

第2章 妊娠発覚。

「「「えっ!!?」」」


お母さん、智ちゃん、私の声が被った。
妹は口を押さえて(まさか)という表情で
お父さんを凝視していた。


「何で?何でよ?いつから気付いてたの!?」


お母さんはお父さんに詰め寄った。


「んー、父親の勘??笑」

「意味分かんないんだけど。」


お母さんは私の顔を見た。


「奈央、お父さんに言った?」

奈央「え、何も言ってないよ。」


お母さんは戸惑っていた。
そんなお母さんを宥めるような口ぶりで
お父さんは続きを話始めた。


「1ヶ月くらい前かなぁ。奈央が『生理が来ない』って言ったんだ。そのときは、僕も遅れてるだけだろうと笑い飛ばしたんだけど、それから何日経っても『お風呂お先にどうぞ』って言葉がなくて。いつも生理のときは『先に入って』は絶対に言うから、おかしいとは思っていたんだ。食欲も最近落ちていたようだし。」


確かにそんな話をした気がする‥。
けど、たったそんなことで気付いたの?
お母さんならまだしもお父さんが‥?


「智也くん。」


ふいにお父さんが
智ちゃんに声を掛けた。


智也「あ、はい。」

「返品は出来ませんが、それでも良いなら、お願いします。」

智也「えっ、あっはい!」

「ビックリして声が出んかったぁ。不束な娘ですが宜しくね、智也くん。」

智也「あっ、こちらこそ宜しくお願いします!」


‥何?この展開?( ̄∀ ̄;)
すごく呆気ないんですけど。
一発ぶたれる覚悟で来たのに。


妹を見ると


「嘘でしょ!?」


と目で訴えてくるも
そんなの私だって信じられない。
私が唖然としていると、


「ねぇ、赤ちゃんの写真ないの?」


いつの間にかお母さんが
私の隣に移動していて
肘でつついてきた。


奈央「あるけど‥まだ赤ちゃんの姿は分からないよ。」

「それでも良いから見せてー。」


渋々バッグから出して手渡すと、


「あー懐かしい!!」


と嬉しそうに眺めてた。


「奈央もお母さんになるんだね。」


そう言われると
急に照れ臭くなって
お母さんに抱きついた。


「1人で悩んでいたんでしょう。もっと早く気付いてあげられたら良かった‥。今まで気付いてあげられなくて、ごめんね。」


まさか謝られるなんて
これっぽっちも
思っていなかったから
私は泣いた―――。

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