パパとママのタカラモノ。
第3章 新生活。
2011.04.29./妊娠6ヵ月
智ちゃん家での
同居生活が始まった。
家族は
曾祖父母、義理の両親、
義理の弟に妹、智ちゃん、
私の四世代同居8人家族。
あとは犬が2匹と
野良猫が1匹。
同居生活の初夜は
興奮して中々眠れなかった。
智ちゃんは別の意味で
興奮してたみたいだけど
赤ちゃんがいるからって
我慢させた。
実はこの頃、
あまり胎動が感じられないばかりか
検診でも気掛かりな事があった。
「羊水が少ないですね‥。」
先生によると
通常の妊婦さんの
1/2くらいの量らしい。
しかも一向に
増える気配がないそうで
「一度、大きな病院で診てもらってください。紹介状書きますから。」
と言われ、GW明けの金曜日に
実家の両親に連れて行ってもらった。
実はこの日の前日から
智ちゃんは他県に出張で
帰ってくるのは2日後。
智ちゃんがいないだけで
心細くて堪らなかった。
病院に着くと
初めに内診を受けて
次にエコーをとった。
「確かに、少ないね‥。」
先生の表情が曇った。
「何かしら、問題でもあるのでしょうか?」
お母さんが心配そうに
エコーを見つめた。
「今のところは何も言えませんが、原因が分からない以上、私達に出来ることは、経過観察くらいしかありませんね‥。」
「経過観察、ってことは入院ですか?」
お母さんの言葉に
「それが一番良いでしょうね。仮に何かあったとしても、すぐ対応ができますので。」
お母さんとお父さんが
顔を見合わせた。