優しくしないで
第9章 古傷
病室を出ると、奏の母さんとあった
「おばちゃん!奏が事故に遭ったって聞いて、走ってきたのに…あいつのんきに寝てたよ!
大変だったみたいだけど、大丈夫そうだ!!!
いつ、退院出来るの?」
『……』
「おばちゃん?」
おばちゃんの顔が…
青ざめてて、一瞬にして
怖くなった…
「…まさか…あのまま目覚まさないとか?」
『命に…別状はなかったわ』
「なら…怖い顔すんなよ」
嫌な…予感がした…
奏は…どうにかなったのか?
『………聞こえないって…
耳が…聞こえないんですって』
「……………え…」
耳が…聞こえない?