優しくしないで
第14章 未来を描く力
私はプリントをかばんにしまい込み…
教室を後にした…
あの日から…
屋上の日から…
見える世界が…
変わった
私が変わったのか…
スローモーションに見える…
私は…生きて…
生きて……行くって…
静ちゃんの
手を握りながら
決めたのに……
どう生きていいか…
何が正しいのか…
解らないままだ―――…
『あれ?えーっと、ほら、仁の、カットモデルの!』
声をかけられ、顔を上げると…
仁さんの勤めている、美容室の店長さんがいた
『あ…店長の、入間さん』
入間さんは外の、喫煙所でタバコを吸っていた
『お店、禁煙なの。
自分の店なのに、自由にタバコ吸えないのよ…まっ…私が、禁煙にしたんだけどね』
入間さんはハハハっと笑い、タバコを消した。
『ちょっと、お茶でもしよっか?』
『えっ!?』
入間さんは、お店に少し出ると言って、私の手を掴み歩き出した。