テキストサイズ

優しくしないで

第3章 時は止まる



走っていた時は、ボブで短くしていた


走る度に頬が風を感じていた…


気持ちいい…風になれた



私はいつも風だった…











風のつもりで走っていた…










今は…






何にもなれない…






髪がフワッと風になびいた…







『風…』




同時に…

立ちくらみがきつくなった!!!




足がふらつき…




倒れそうになる…





何かに捕まろうと、

手を伸ばした!!!







「大丈夫!?」


私は…誰かに支えられ、
転倒を防げた…




『…え…ぁ』





男性は私の腕を掴み、
顔を覗き込んできた…





「貧血か?」


『…多分』


私は男性の手を借りながら態勢を立て直す



「歩けるか?高校生?」


『はい…もう大丈夫です。
すみませんでした。』



私はお辞儀をして男性から離れた…



「気をつけろよ?」




私は…目の前が少しチカチカしたが


歩いて帰った…





ストーリーメニュー

TOPTOPへ