テキストサイズ

優しくしないで

第19章 遺品…



『…静…』



何も言えない私を……



静ちゃんは……抱きしめた…



『…やっぱり…嫌いよ…留美なんて……

人一倍…悩んで、
人一倍…苦しんで…


人一倍……人を傷つけるのよね…


そんな留美…嫌い…

でも……そんな留美を解ってあげられる…女友達で…いさせてよ…』



『…あり…が…と…ありがとう…ありがとう……
静…あ…』



泣き声で…“ありがとう”が上手く言えなかった…



でも…静には…伝わったのか…


抱きしめる腕が…強く優しくなる…



「…仲直り…なのか?
女ってやつは…めんどくさい生き物だな…」



剣の、まのぬけた声に…

静ちゃんが…笑っていた…



私は……静ちゃんと向き合えたのかな?



解り会えたのかな…




一つ…霧が晴れた…



そんな気分になっていた…




もう一人の私……静…


彼女が変わろうとしている…




私も…………






ありがとう…静…






太一……




……私…


…強くならなきゃ…


ストーリーメニュー

TOPTOPへ