優しくしないで
第20章 走り出す
担任に、試験終了の連絡をし…今日はそのまま帰ることにした…
…家に帰る…道…
あの公園に…人影をみつける…
『…仁…さん?』
公園のベンチには…仁さんが…座っていた…
「留美ちゃん!!!どうだった?」
仁さんは私の姿を見つけると…駆け寄ってきた!!!
『あ…仁さん?いつからここに?』
「あ?え?え〜…結構前…」
仁さんの頬を両手で包むと…
ヒヤリと冷たく…長い時間待っててくれたのだと解る…
その手に、仁さんも手を重ねる…
「うまく行った?ちゃんと伝えた?」
心配そうに頬にある手を…ギュッと掴み…
私を見つめる…
『…大丈夫です。
仁さんから教えてもらった手話も…役に立ちました。』
「へ?手話とは縁遠い感じするけど…」
『…凄く助かりました。』
仁さんはへへへと笑って…
赤くなった……
そして…私は…
今…緊張から解放された…
『…仁さん…ありがとう』