優しくしないで
第22章 雪の降る日は…
太一のお墓は、私たちの住む場所から少し離れていたが…
それほど遠くない…お寺の敷地内に作られた…
私と静、それと剣と…仁さん…
あの日…
太一の死を知った人達…
お寺の入口には…光一さんが立っていた…
「わざわざ、悪いね…」
『いいえ…』
私たちは、光一さんに案内され
太一の骨の眠るお墓まで…
沢山の墓石の前を通る
冬の気温か…墓地という場所か…
とても寒く…
冷たく感じた…
「ここ…」
光一さんの足が…真新しい墓石の前で止まった…
“石田家”
の文字に………ヒンヤリとした…
灰色の石…
「昨日…無事に納骨はすませたよ。
両親もまだまだ若いし…祖父も祖母も生きてるから…
墓石なんて…まだ…買ってなくて…
昨日…やっとだ…
やっと…見送れたって感じだ…」
「…光一さん…連絡ありがとうございます。」
仁さんは…
光一さんに深く頭を下げた…