優しくしないで
第24章 後ろ髪……
店を出ると…
可愛いショップの紙袋が目だったが…
それすら…誇らしく…くすぐったかった…
途中コーヒーを買い…ベンチに座り…
サラリーマンや主婦が行き交うのを眺めながら…
コーヒーを飲む……
あああ…
こんなに穏やかに…
人の行き交う姿を見る日が来るなんて…思わなかった…
奏の……事故から…
奏が消えてから……
自分は……幸せになってはいけないと…
誰も好きにならないと……
思っていた……
そんな俺を…人間に…戻してくれた…
留美ちゃん……
奏に似ている…から…興味が出た彼女だったけど…
今は…
留美ちゃんの弱さ…
優しさ…強さ……
太一君を思う一途さ…
全てが……愛おしく…
支えたい…
そう思う…自分が……いる…