優しくしないで
第24章 後ろ髪……
俺は……店にもどった…
「仁…大丈夫か?
顔色めちゃくちゃ悪いぞ?」
大さんの声に…反応するのがやっとで…
「あっ…外、めっちゃ…寒かったんで…」
笑い顔も…多分ぎこちない…
「そうか……」
大さんは…深くは聞かないだろう…
大さんの男気あふれる部分に……感謝した…
他のスタッフが…私用で出てて助かった……
こんな…微妙な雰囲気…
内容を聞きたくなるだろうから…
「……大さん…
早退してもいいですか?」
「……ああ…
仕事…今のお前には…無理だろ?
桃さんには俺が言っておくから…」
「……すみません…」
フラフラとスタッフルームの自分のロッカーを開けた…
「………留美……ちゃん」
ロッカーの中には…
渡そうと思っていたマフラーの包みが……あった…
俺は、かばんにソレを詰め込み!!!
裏口から…
走って店を出た―――――!!!