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優しくしないで

第27章 繋いだ手



「こら、奏…留美ちゃんを不安にさせないの…」




楽屋に笑いながら入って来た男性が、奏さんを注意した…




男性は…長身で金髪…瞳が青い…

外人さん……?





『えっ…奏さん…この方は…』





男性は奏さんの隣に進むと…





奏さんの手を取り…私たち同様…指を絡めた…




「奏…?」




『…彼、ロバート…

私の恋人、フィアンセ―――――…』




二人は見つめ合い……



チュッ…と挨拶のキスをした…





『えっ!!!奏さん!!!フィアンセって…』




ロバートさんは…奏さんを暖かく見つめる…



『…ロバートはね……

私の補聴器の技師…


私の…耳よ―――――…




私の…一部…』






「始めまして、ロバートです。」




私は…雰囲気が柔らかくなる奏さんを見て……



ロバートさんを…心から愛して様に感じた…



「奏から…仁…君の事は聞いていた…


奏もだが…君も……今まで……辛い思いを抱えていたと…


だが…君は――――…



“繋ぐ手を”を見つけたようで―――――…



安心したよ」






ロバートさんは…



奏さんに寄り添い…支えてきたのだろう…




過去も…未来も…受け止め…




奏さんの耳になる事を決めたのだろう…





「奏……ホント…幸せそうだ…」




『ええ……


仁…貴方も―――――


“繋いだ手”離しちゃだめよ?』









「………ああ…」






『留美ちゃん…ごめんね、引き抜きは冗談。


私には、ロバートがいる…


仁には…留美ちゃんが必要な様に…



仁に…そう思わせる…留美ちゃんって…意外にすごい子なのかしら?』




クスクス笑い…繋いだ手をギュッと絡める奏さんとロバート…













奏さんには……敵わない…







素敵………





格好良すぎだ………





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