優しくしないで
第1章 好きだから…
鏡に写る自分の体を見る…
さっきまで…太一が触り、キスをし、アマガミした体…
髪は黒く長い…
背は高くて細い…
目鼻立ちはくっきりしているが…輝きはない…
そして…
足に集中するキスマーク…
アキレス腱の傷は…
一生消えないらしい…
私はシャワーを頭からかけた状態で壁に寄り掛かり…
俯いた…
わかってる…
どんなに体を重ねても…
太一の好きな人は…
静ちゃん…
私は…
自分と友達に嘘をつきながら…
どうしようもない
罪悪感で…
現実逃避するしかなかった…