私はあなたを許さない
第15章 「黙ってるつもりだった」
哲男「希、おはよう」
希「…おはよう」
哲男「相変わらずだな」
希「…」
あれ以来
夏祭りでのキス以来
希の中である変化が起きていた
それは…
希「…」
哲男「希、お前大丈夫か?」
希「どっ…どうして…」
哲男「何か顔赤いけど…熱でも」
希「!?」
熱を計ろうと
希の頬に触れてきた哲男
別段、意識するような行為ではなかった
でも
今の希には
そんな哲男の行為も…
希「だっ、大丈夫だから!!」
哲男「でも」
希「大丈夫だから…じゃあね」
哲男「…」
適当にごまかし
その場から逃げ出した希
今までは哲男に触れられても何も思わな
かったし
何も感じなかった
ドキドキする事なんてなかった
なのに…
希「おかしい…おかしいよ、私…」