私はあなたを許さない
第5章 「一緒に暮らさない?」
光明「家出るって…どうして?」
希「…限界なんです」
光明「限界?」
希「他人と暮らすの」
光明「…」
何も言えなかった
自分に出来る事なら何でもする気だった
家事が嫌なら全部、自分がやるし
嫌いな物があるなら作らない
してほしい事があるなら
何でもした
でも…
希「…」
光明「家出てどうするの…」
希「前みたいに日雇いのバイトで生活し
ます」
光明「愛田さん…」
希「…お世話になりました」
光明「…」
彼女の事
引き止めたいのに
引き止める事が出来なかった光明
彼女の為と思い始めた共同生活だったが
結局は自分の自己満足だと
気づいたからだった
彼女の為ではない
彼女に対する罪の意識、後ろめた
その気持ちを少しでも和らげる為に始め
た
自分勝手な
身勝手な事だった
光明「…っ」