私はあなたを許さない
第6章 「私と一緒だから」
光明「…はぁ」
希「…ごめんなさい…勝手な事して」
光明「…」
希「…」
怒鳴られはしなかったが
光明は怒っていた
当たり前だ
犬でも猫でも、どんな動物でも命ある物
それを飼う、拾うという事は
その者の命を預かる
育てる事
その事を深く考えず
簡単に仔犬を拾ってきてしまった希に対
し
光明は怒っていた
それだけだ
光明「でもどうして拾ったの?」
希「それは…」
光明「愛田さん?」
希「私と…私と一緒だから…」
光明「一緒?」
希「家族と離れ離れで一人ぼっち…私は
先生に助けられたけど…」
光明「…」
希「この子は誰にも拾われず一人ぼっち
だから…見てられなくて…」
光明「気持ちはわかるよ、でもね…」
希「…」