
ふたりのち晴れ
第5章 楠木―バレちゃった…
なんかもう疲れた…
泣き疲れたよ…
そんな事を考えながら僕は うとうと屋上で寝てしまった…
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楠『…ん』
僕が目を覚ますと保健室のベットの上だった。
辺りを見渡すと、ベットの横に 巧くんが座っていた。
…え?なんで?
そういえば僕、そのまま寝ちゃったんだっけ。
巧『やっと起きた』
楠『…あっ。ごめんね!待っててくれたの?』
巧『正確には、待たされたんだよ。先生が家が近いから一緒に帰りなさいって』
楠『…。なんかごめん…。………って事は今何時?』
巧『もうそろそろ6時』
楠『……!?んじゃ早く帰らなきゃ!僕、夜ご飯つくってないしっ!』
巧『それなら俺んちで食ってけばいいじゃねぇか』
楠『悪いからいいよ…。それに…。』
巧『それに…?』
楠『僕の事嫌いになっちゃったよね?…』
巧『はぁ?』
楠『今までの人たちはそうだったから…』
あれ。また涙だ…。今度は溢れる涙が止まらない。
すると
ギュッ…
巧『あんまよくわかんねぇけど、泣くだけ泣いて涙とめろ』
巧くんは そういって僕を抱きしめる。
苦しいくらいに…
楠『う゛わぁぁぁん。だぐみぐう゛ぅぅぅん…』
