
ふたりのち晴れ
第12章 巧―テスト勉強
毎日 学校から帰ったら
すぐに部屋。
夜飯に呼ぶまで出て来ない。
風呂にはいったら
すぐ部屋に
の繰り返しだ。
さすがに不振すぎるな…
そんなある日…
巧『おーい、飯だぞー』
返事なし。
しばらくしても
おりてこない。
俺は、2階へ上がり楠木の部屋に行く。
楠木の部屋を見ると
楠木がじゅうたんの上で寝ている。
巧『おい、起きろ』
楠『…』
何度呼びかけても起きる気配はない。
体を揺すってみたら
巧『……あつっ』
体が普通じゃないくらい熱い。
異常に思った俺は、すぐに熱を計る。
38.9
俺は急いで
おふくろに報告をし、騒いだおふくろが車を出して病院へ連れて行った。
俺も行くといったが
待ってろといわれて
今一人、家にいる。
もっと早く気づいておけば…
楠木があんな辛い思いはしなかった。
放っておいて俺が
今頃気づいたところで、なんでもないのに。
俺は楠木の部屋に行って、倒れた時に散らかったと思われる部屋を片付ける。
机の上を片付けていると
みっちり文字がつめこまられたノート。
その中には、
俺が前に教えた問題を何度も繰り返していた。
